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第41巻 2号

Aeromonas hydrophila 抗原導入リポソームワクチンを用いたコイの経口免疫

安本信哉・吉村哲郎・宮崎照雄
 Aeromonas hydrophila 抗原を導入したリポソームワクチン(蛋白含量として 33 g/mL)を作製し,3 日間経口投与 (10 L または 30 L/尾/日)したコイ(平均魚体重 30 g)における免疫効果を調べた。ワクチンを投与したコイでは 2 − 3 週間後に高い抗体価が得られた。また,ワクチンを経口投与(30 L/尾)したコイに対して,投与22日後に 3.0×105 または 1.0×106 CFU/尾で経皮攻撃試験を行った結果,リポソームワクチンを用いた経口免疫の有効性が示された。
魚病研究,41(2),45-49(2006)

台湾の養殖スギにおける単生類 Neobenedenia girellae の寄生

小川和夫・宮本淳子・H.-C. Wan・C.-F. Lo・G.-H. Kou
 2003年に台湾の網生け簀養殖スギにハダムシ症が発生した。形態的特徴から寄生種はNeobenedenia girellae に同定された。これは台湾における本虫寄生の初報告である。虫体は59.7%がスギの頭部背側に,特に目に集中していた(23.7%)。寄生を受けた目の周辺組織では,固着盤による吸固着とおそらくは前吸盤と咽頭の作用による上皮の物理的傷害および粘液の多量分泌がみられた。目においては,角膜上皮の肥厚と部分的欠落,コラーゲン繊維層の肥厚と著しい細胞浸潤が認められた。
魚病研究,41(2),51-56(2006)

病魚由来 Streptococcus iniae の血清学的性状

金井欣也・能登原正一・加藤達夫・首藤公宏・吉越一馬
 ヒラメ由来株を主体とした日本の病魚由来 Streptococcus iniae の血清学的性状を検討した。供試菌株は抗 S. iniae ウサギ血清との凝集性により,2 つのタイプに分かれ,それは莢膜の有無に依存していた。両タイプ(K+ および K− タイプ)の菌体オートクレーブ抽出物には共通抗原が検出され,K+ タイプにはさらに型特異抗原が確認された。K+ タイプは莢膜を保有し,ヒラメに対して強い毒力を示した。一方,K− タイプには型抗原や莢膜が認められず,毒力も弱かった。
魚病研究,41(2),57-66(2006)

Peptidyl-prolyl cis-trans isomerase C 遺伝子を標的とした PCR による Flavobacterium psychrophilum の判別と遺伝子型

吉浦康寿・釜石 隆・中易千早・乙竹 充
 F. psychrophilum は未同定の 290 bp 遺伝子断片の多型により 2 種類の遺伝子型( A 型,B 型)に分類されている。この断片が peptidyl-prolyl cis-trans isomerase C (PPIC)遺伝子のアミノ酸コード領域の一部であることを同定した。本菌の PPIC 遺伝子特異プライマーによる PCR では本菌でのみ遺伝子増幅が認められ,制限酵素による増幅産物の消化断片長により上記遺伝子型の判定も可能であった。A 型はアユ由来菌株にのみ認められた。
魚病研究,41(2),67-71(2006)

Vibrio anguillarum のキノロン耐性機構

奥田 潤・金丸俊介・湯浅明彦・中岡典義・川上秀昌・中井敏博
 Vibrio anguillarum のキノロン耐性機構を解明するために,DNA ジャイレース遺伝子(gyrA)およびトポイソメラーゼ IV 遺伝子 (parC)のキノロン耐性決定領域 (QRDR)内の変異を解析した。低度耐性株では gyrA の QRDR にのみ 1 塩基置換が検出された。一方,高度耐性株では gyrA と parC の両方の QRDR に 1 塩基置換が検出された。他菌種におけるキノロン耐性と同様,V. anguillarum においても gyrA がまず変異することで低度耐性化し,次に parC にも変異が入ることで高度耐性化すると考えられる。
魚病研究,41(2),73-75(2006)

ヒラメ稚魚から分離された褐色色素産生 Vibrio anguillarum

坂井貴光・山田洋雄・清水弘明・湯浅 啓・釜石 隆・大迫典久・飯田貴次
 2005年に福井県の種苗生産施設のヒラメ稚魚に,無眼側体表面の発赤症状を伴う大量死が発生した。病魚から褐色色素を産生する細菌が純培養状に分離され,細菌学的検査により分離菌は Vibrio anguillarum に同定された。腹腔内接種による感染実験ではヒラメ稚魚に対する分離菌の高い病原性が確認されたが,菌浴法では死亡はみられなかった。本報は褐色色素産生 V. anguillarum による初めての症例である。
魚病研究,41(2),77-79(2006)

神奈川県の河川におけるコイヘルペスウイルス病の発生

原日出夫・相川英明・臼井一茂・中西照幸
 2004年 4 月〜 7 月に神奈川県下の 7 河川でコイの大量死が発生し,PCR 検査により KHV 病と診断された。本病の発生は,発生時期により水系を 5 月発生群と 6 月発生群に分けることが出来た。本病による死亡が始まった時の水温は,前者では15.5〜18.5℃,後者では18.6〜21.2℃であった。ともに,KHV の増殖可能温度の15℃を上回っていた。
魚病研究,41(2),81-83(2006)