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第53巻 3号

Pseudomonas anguilliseptica感染による養殖アユの大量死

嶋原佳子・河東康彦・桐生郁也・西岡豊弘・釜石 隆・湯浅 啓・三輪 理・保坂芽衣・松本 遼・中井敏博・大迫典久
 養殖アユにおけるPseudomonas anguilliseptica感染症は1980年代に国内で発生したが,それ以降,本疾病の発生例は報告されていない。しかしながら,2013年の2月〜3月にかけて秋田県下の中間育成施設において,P. anguilliseptica感染による大量死が発生した。分離菌株の生化学的性状および 16S rRNA遺伝子の塩基配列は,1980年代に養殖アユから分離されたP. anguilliseptica菌株と同一であった。感染試験の結果,今回分離された菌株のアユに対するLD50は1.7 × 103 cfu/fishであった。
魚病研究,53(3), 101-104(2018)

国産キンギョの皮膚に寄生した粘液胞子虫Thelohanellus testudineusの初報告

荒川純平・米加田 徹
 2017年に愛知県の金魚卸売市場で,体表に腫瘍状の隆起のあるキンギョが1尾発見された。このキンギョの体側部には 2~4 mm程度の隆起が複数認められ,一部に出血が見られた。隆起組織の一部を採取して検鏡したところ,粘液胞子虫の胞子が多数確認された。胞子の大きさは,長さ17.1 ± 1.0 µm(平均±標準偏差),幅6.1 ± 0.7 µmで,一つの極嚢が観察された。18SリボソームRNA遺伝子の部分配列は,Thelohanellus testudineusと完全に一致した。本研究は,国産キンギョの皮膚に寄生したT. testudineusの初報告である。
魚病研究,53(3), 105-109(2018)

カプサイシンを利用したウイルス性神経壊死症(VNN)に対する経口免疫法

A. Y. Gaafar・山下浩史・I. Istiqomah・河東康彦・二宮佳苗・A. E. Younes・中井敏博
 ベータノダウイルス(RGNNV)不活化ワクチンを添加した餌料を一日一回,一週間連続で投与したマハタ(一尾あたり約108 TCID50/回)は,初回投与から三週間後に行った注射法によるウイルス攻撃に対して抵抗性を示さなかった。一方,肛門から腸内に不活化ワクチンを直接投与して(一週間後に追加投与)注射法で攻撃した場合,また炎症性物質であるカプサイシンを添加したワクチン餌料を同様に経口投与して排水暴露法で攻撃した場合には抵抗性が認められた。これらの結果はVNNに対する腸管免疫による不活化ワクチンの有用性を示唆し,カプサイシンは腸粘膜に作用することで腸管免疫の誘導に関与すると考えられる。
魚病研究,53(3), 110-113(2018)