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第50巻 1号

TaqManプローブを用いたリアルタイムPCRによるPseudomonas anguillisepticaの検出

B.-J.Kang・S.Dharaneedharan・Y.-H.Jang
S.-H.Won・M.-S.Heo
 P.anguillisepticaは増殖が遅く,培養法による診断では菌種同定に時間と手間がかかるため,迅速で高感度な診断法の開発が望まれる。本研究では16SrRNA遺伝子を標的としたTaqManプローブリアルタイムPCRによるヒラメ感染魚からのP.anguillisepticaの定量的検出法を開発した。本法は本菌に特異的であり,その検出限界はP.anguillisepticaのゲノムDNAでは300pg,本菌の16SrRNA遺伝子を組み込んだプラスミドでは2.4コピーであった。本法によるCT値から換算した人為感染魚の各臓器中の菌数はコロニーカウント法とほぼ同じ値を示した。これらのことから,本法はヒラメのP.anguilliseptica感染症の有効な診断法と言える。
魚病研究,50(1), 1-7(2015)

luxS/AI-2quorumsensingは抗菌剤に対するStreptococcusagalactiaeの感受性低下に関与する

Y.P.Ma・H.Ke・L.Hao・Z.X.Liu・Z.L.Liang
J.Y.Ma・H.C.Yang・Y.G.Li
 S.agalactiaeの薬剤感受性へのquorumsensingの関与を検討するため,S.agalactiaeCNEP110823株(親株)からautoinducer-2(AI-2)生合成酵素LuxSの遺伝子破壊変異株(SX1)を作製し,抗菌剤に対する感受性を調べた。その結果,cefradineとnorfloxacinに対する感受性が低下した。luxS遺伝子を組み込んだプラスミドをSX1株に導入した菌株(SX2)は親株と同等の感受性を示した。また,AI-2の前駆物質である4,5-dihydroxy-2,3-pentanedioneをSX1株に作用させたとき,感受性の回復が観察された。以上のことから,luxS/AI-2quorumsensingはS.agalactiaeのcefradineとnorfloxacinに対する感受性に関与することが分かった。
魚病研究,50(1), 8-15(2015)

低塩分および低水温条件におけるPerkinsusolseniのアサリ体内での栄養体増殖の抑制

脇  司・良永知義
 環境因子がPerkinsusolseniの感染レベルに与える影響を知るため,本虫で攻撃したアサリを異なる塩分(15~30)または温度条件(13℃~23℃)で飼育し,これらの環境条件がアサリ体内の栄養体の増殖に及ぼす影響や病害性との関係を調べた。その結果,塩分15の実験区の実験終了時を除いて,塩分と感染強度に関連は認められなかった。一方,塩分30の実験区においてのみ,攻撃区の生残率が有意に低下し,低塩分で本種の病害性が低下することが示唆された。また,水温が低いほど虫体の増殖が抑制され,特に13℃では強く抑制された。また,23℃においてのみ,攻撃区の生残率が有意に低下し,本虫の病害性が温度にも依存することが確かめられた。
魚病研究,50(1), 16-22(2015)

ハダムシNeobenedeniagirellaeの産卵とふ化の日周リズム

平野千早・石丸克也・白樫 正
 異なる明暗条件下で,ネオベネデニアの産卵とふ化の日周リズムを調べた。被寄生カンパチ稚魚およびブラックモーリーを透明もしくは黒色容器に収容し,室内自然光と暗黒下で産出された虫卵を2時間毎に3日間数えた。産卵は光の有無に関係なく昼夜を通してみられ,明確な日周リズムは認められなかった。また,ネオベネデニア卵のふ化について,自然光またはLED照明で明暗期を調整した光条件で調べた。その結果,自然光下では1日1回,午前中にふ化のピークがあり,1日2回,早朝と夕方にふ化するブリハダムシBenedeniaseriolaeとは異なることがわかった。一方,LED照明による明暗条件下では明確な周期はみられず,ふ化した幼生の総数が顕著に少なかった。
魚病研究,50(1), 23-28(2015)