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第47巻 4号

ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対するホルマリン不活化ワクチンの感染防御効果

一色 正・森本嵩也・岩崎正裕・安部昌明
長野泰三・陌間 隆・J.-Y. Song・北村真一
 ウイルス性出血性敗血症ウイルス(VHSV)のホルマリン不活化ワクチンを用いて12℃,20℃および28℃の各水温で免疫されたヒラメ(平均体重10 g)のVHSVに対する感染防御能を免疫21日後に12℃で攻撃して評価した。その結果,VHSVに対する感染防御能は20℃の免疫群のみに認められた(ワクチンの有効率RPS=48%)。さらに,本ワクチンを用いて一度20℃で免疫されたヒラメ(平均体重 100 g)は,免疫してから18,77,98および213日後に行ったいずれの攻撃試験においても,VHSVに対する高い感染防御能を示した(RPS=71-100%)。したがって,本ワクチンを用いて20℃で一回だけ免疫されたヒラメには,少なくとも7ヶ月間持続する感染防御能が誘導されることが明らかとなった。
魚病研究,47(4), 121-128(2012)

日本における正常なカキ稚貝からのカキヘルペスウイルス1型(OsHV-1)変異型の検出

嶋原佳子・栗田 潤・桐生郁也・西岡豊弘
湯浅 啓・川名守彦・釜石 隆・大迫典久
 わが国のカキ主産地6県におけるカキ稚貝を対象にカキヘルペスウイルス1型(OsHV-1)の検出をPCRにより試みた。供試した1,714検体のうち123検体からOsHV-1ゲノム上のC2/C6 領域が検出され,塩基配列が一部異なる23種類が得られた。すなわち,日本には多様性に富んだOsHV-1 変異型が広く存在しているが,いずれも高病原性を有するOsHV-1 μVarとは一致しなかった。
魚病研究,47(4), 129-136(2012)

RSIVはPoly(I:C)投与により誘導される一過性自然免疫の影響をおそらく受けない

金 鍾五・呉 昭映・松井崇憲
呉 明柱・西澤豊彦
 Poly(I:C)を投与したイシダイ,マダイおよびブリをRSIVで攻撃したところ,何れの魚種においてもRSIVによる死亡率は対照区と差異が殆ど認められなかった。これは,Poly(I:C)を投与しても魚をRSIV感染から防御することが出来ないことを示す結果である。しかし,Poly(I:C)を投与したイシダイでは,インターフェロン誘導の指標であるMx遺伝子が十分に発現されていた。したがって,RSIVは,おそらくPoly(I:C)投与により誘導される魚の一過性自然免疫の影響を受けないと考えられた。
魚病研究,47(4), 137-142(2012)

クロマグロの卵およびふ化仔魚に発生したIchthyodinium感染症

石丸克也・飯田直樹
岡田貴彦・宮下 盛
 2003年,和歌山県串本大島で採取されたクロマグロの卵およびふ化仔魚に異常な卵黄白濁が観察された。白濁した卵黄内には多数の原虫が充満しており,寄生された仔魚はふ化後1日で卵黄嚢が破裂して死亡した。本症による死亡率は2004年には最大98%に達したが,2006年以降は発生していない。本原虫はSSU rDNAの部分塩基配列から魚卵寄生性の渦鞭毛虫として知られるIchthyodinium属の一種に同定された。
魚病研究,47(4), 143-146(2012)