ENGLISH


日本魚病学会事務局(2013年1月より)
〒162-0801
東京都新宿区山吹町358-5
アカデミーセンター
TEL:03-5937-5716
FAX:03-3368-2822
E-Mail:jsfp-post@bunken.co.jp
HOME > 魚病研究 > 第46巻 4号

第46巻 4号

天然アコヤガイを用いたアコヤガイ赤変病の病勢調査

小田原和史・山下浩史・曽根謙一・青木秀夫・森 京子・岩永俊介・中易千早・伊東尚史・栗田 潤・飯田貴次
 アコヤガイ赤変病(AOD)未発生地域で採取した天然アコヤガイを,AOD罹病貝の血リンパ液の接種,または主要真珠貝養殖場への垂下によってAODに暴露した。いずれの場合も供試貝には明瞭な軟体部の赤変化と高い死亡率が確認され,現在なおAODの病原体は継続して存在し,高い病原性を有していると判断された。本病への耐病性により選抜育種した個体を養殖場に垂下した場合,赤変化や死亡はわずかであったことから,近年の被害軽減は選抜アコヤガイの使用が1つの要因であると考えられた。
魚病研究,46(4), 101-107(2011)

ヒラメに対するEdwardsiella tarda-Streptococcus iniae-Streptococcus parauberis 3種混合ワクチンの有効性

S. Y. Han・B. K. Kang・B. J. Kang・J. M. Kim・J. E. Han・J. H. Kim・C. Choresca Jr.・S. P. Shin・J. W. Jun・S. C. Park
 Edwardsiella tarda, Streptococcus iniaeおよびS. parauberisのホルマリン死菌から成る混合ワクチンをヒラメに接種し,攻撃試験による抗病性と凝集抗体産生性からその有効性を検討した。ワクチン接種3週間目に各菌種で攻撃した結果,3菌種ともワクチン接種群の死亡率が非接種対照群に比べて有意に低かった。各菌種に対する血清凝集抗体価は対照群に比べて有意に高かった。以上のことから,本ワクチンがヒラメに対して有効であることが示された。
魚病研究,46(4), 108-111(2011)

VHSVヒラメ由来株はニジマス稚魚に対し病原性を有する

金 尉植・西澤豊彦・金 正鎬・S. Rungkarn・鄭 星珠・呉 明柱
 VHSVヒラメ由来株(遺伝子型:IVa)FYeosu05および Obama25 をニジマス稚魚(体重 1.1 g)の腹腔内に接種(106.5 TCID50/尾)した結果,各々64% および48%が死亡した。罹病魚は,腹部膨満,鰓の退色および脾臟の肥大化を呈し,その脾臟と腎臟に顕著な壊死像が認められた。死亡魚はRT-LAMP法でVHSV陽性となり,またFHM細胞により 106 TCID50/g以上の力価でVHSVが再分離された。これらの結果から,VHSVヒラメ由来株は弱いながらニジマス稚魚に対し病原性を有すると結論した。
魚病研究,46(4), 112-115(2011)

養殖サケ科魚類親魚の体腔液および精液中の冷水病菌の濃度

熊谷 明・縄田 暁
 2006年~2008年に国内13道県の養魚場で飼育されているサケ科魚類6種の体腔液と精液中の冷水病菌濃度を調査した。冷水病菌は雌親魚61ロット中39ロット(3,276尾中544尾),雄親魚42ロット中21ロット(1,434尾中248尾)から検出され,菌濃度は体腔液が 10~107.7 CFU/mL(平均 102.0 CFU/mL),精液が 10~104.3 CFU/mL(同 102.1 CFU/mL)であった。本菌が国内の養魚場で飼育されているサケマス類親魚に広く感染していることが明らかとなった。
魚病研究,46(4), 116-119(2011)

マダイの非定型Edwardsiella tarda感染症に対する不活化ワクチンの効果

高野倫一・松山知正・坂井貴光・中易千早
 マダイの非定型Edwardsiella tarda感染症に対する不活化ワクチンの感染防御効果を調べた。非定型E. tarda FPC503株のホルマリン不活化菌体をワクチンとしてマダイの腹腔内に接種し,その28日および56日後にワクチン株で攻撃した。その結果,オイルアジュバント(Montanide ISA 763 A VG)の添加の有無にかかわらず,ワクチンの感染防御効果が認められた。ELISA法によりワクチン株に対する抗体産生が確認されたが,抗体価と感染防御効果との関係は不明瞭であった。
魚病研究,46(4), 120-122(2011)

日本のサケ科魚類養殖において冷水病菌の卵内感染の可能性は低い

熊谷 明・縄田 暁
 2006年~2008年に3道県の養魚場で生産されたサケ科4魚種の発眼卵,12道県の6魚種の未受精卵,米国から輸入された2魚種の発眼卵を材料として,冷水病菌の卵内感染の有無を培養法で調査した。冷水病菌は輸入ギンザケ卵13ロット(999粒)のうち1ロットの中の4粒から分離されたが,国産発眼卵61ロット(3,693粒)および未受精卵28ロット(1,680粒)からは分離されなかった。国内で生産されている卵における冷水病菌の卵内感染の可能性は低いと推察される。
魚病研究,46(4), 123-125(2011)