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第46巻 3号

魚類輸送中のGyrodactylus属単生類の偶発的伝搬

M. I. Grano-Maldonado・J. E. Bron・M. Longshaw・A. P. Shinn
 それぞれ固有の異なったGyrodacrylus属単生類が寄生している魚種Gasterosteus aculeatus, Phoxinus phoxinus, Barbatula barbatulaについて,G. aculeatusとP. phoxinusあるいはB. barbatulaを小容器の中で3時間同居させたところ,少数ではあったが,本来の宿主でない魚種への偶発的な伝搬が観察された。ギロダクチルス科単生類の寄生状況調査や診断に当たっては,複数の魚種の同居輸送によって偶発的な伝搬が生じることを十分留意しなければならない。
魚病研究,46(3),71-79(2011)

奄美大島のリュウキュウアユに見られた微胞子虫症

丹羽稔久・山本 淳・荒木亨介・釜石 隆・四宮明彦
 リュウキュウアユ人工種苗の皮膚及び内臓に多数のシストを形成する微胞子虫が検出された。0年魚の感染率は春から夏に上昇し8月には65.7%に達したが,9月及び10月に0%となった。1年魚では感染率は低下しなかったが,重篤な症状の割合は減少した。また,河川に生息する自然個体群からも本種が確認された。本種はシストの構造やSSU rRNA遺伝子配列からGlugea属であることが示唆されたが,本土のアユのG. plecoglossiとの異同については結論が出なかった。
魚病研究,46(3),80-86(2011)

地中海西部の畜養クロマグロにおける住血吸虫寄生

R. Ruiz de Ybañez・J. Peñalver・C. Martínez-Carrasco・L. del Río・E. María Dolores・E. Berriatua・P. Muñoz
 地中海西部で畜養された大西洋クロマグロにおける住血吸虫(おそらくCardicola sp.)の寄生を実体顕微鏡観察と病理組織学的観察により調査した。29.6%のクロマグロの鰓に虫卵が見られたが,心臓には虫体は存在しなかった。鰓弁に白色から黄色の小病巣が見られる場合もあった。虫卵の周囲には軽度の炎症反応が見られ,肉芽腫性の反応が見られる場合もあったが,寄生されたクロマグロへの病理学的影響は軽微であった。
魚病研究,46(3),87-90(2011)

放流歴のない河川に生息するアユにおける冷水病菌の保菌

熊谷 明・縄田 暁・乙竹 充
 2005~07年の10月に,アユの放流歴のない宮城県沿岸の4小河川において成熟した野生アユの冷水病菌の保菌状況を調査した。各年の河川別の冷水病菌検出率は58%~100%(平均89%)と高率であった。分離株の遺伝子型はA/S型が主体であった。分離株のアユに対する病原性はアユ養魚場の病魚から分離された株と同じぐらい強かったが,これまでこれらの河川で本病に起因する天然アユの死亡は起きていない。未放流河川にもアユ由来と考えられる強い病原性の菌が蔓延していることが明らかとなった。
魚病研究,46(3),91-94(2011)

βグルカンはデキサメタゾンと複合投与すると免疫抑制的に働く

D. J. Speare・N. J. Guselle・J. E. Harkness
 飼料 1 kgあたり 200 mgのβ -1,3/1,6 グルカン(PV)と 300 mgのデキサメタゾン(Dex)を,経口的にニジマス稚魚に単独または複合投与し,投与前後に,微胞子虫Loma salmonaeで経口攻撃した。6週間後に鰓全体の平均キセノマ数を測定したところ,無投与対照魚には34.8個,PV単独投与魚には23.6個,Dex単独投与魚には43.0個のキセノマが観察された。しかし,両薬剤を複合投与した魚には,Dex単独投与魚より有意に多い51.0~65.1個のキセノマが観察され,強い免疫抑制作用が認められた。
魚病研究,46(3),95-97(2011)