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第46巻 2号

類結節症原因菌のブリへの付着と感染経路

永野一郎・大嶋俊一郎・川合研児
 類結節症原因菌の,ブリへの付着から体内増殖に至る過程を浸漬感染法により検討した。感染直後には魚の下顎・胸鰭・体表・鰓に菌の付着が認められた。感染後の魚体における菌数は,鰓で増加したのちに脾臓・腎臓・血液で増加した。鰓と躯幹部体表で区別した実験感染を行ったところ,鰓感染を行った群が高い死亡率を示した。以上のことから,鰓は本菌の主要な侵入門戸であり,感染初期における増殖の場でもあると考えられた。
魚病研究,46(2), 45-50(2011)

微胞子虫Microsporidium seriolaeによるブリ類のべこ病の感染動態

横山 博・綾戸大地・宮原治郎・松倉一樹・高見生雄・横山文彦・小川和夫
 ブリ類のべこ病について,感染成立から治癒に至る過程を調べた。養殖魚の4年間にわたる調査の結果,感染は種苗導入直後の6~7月に起こり,寄生率は約1ヶ月で最大100%に達した。シストは翌年秋までに徐々に黒化して消失したが,初期の寄生強度が高い年は一部が残存した。発生海域への人工種苗の移入実験により,8月中旬以後には魚への侵入が終息すること,魚のサイズが寄生率や寄生強度に影響することが明らかになった。
魚病研究,46(2), 51-58(2011)

臨床的に「ボケ」と診断されたアユの鰓病変の病理組織

和田新平・熱海博子・倉田 修・畑井喜司雄・糟谷浩一・渡辺裕介・福田穎穂
 「ボケ」と診断されたアユの鰓病変を病理組織学的に類別した。その結果,鰓病変は異型細胞が特徴的な型,グラム陰性長桿菌が特徴的な型,およびそれらの混合型の3種に類別された。電顕観察の結果,異型細胞内にはポックスウイルス様粒子が観察された。結果より「ボケ」は異なる疾病より成ることが示された。異型細胞を伴うアユの新規の鰓病に対し,異型細胞性鰓病(ACGD)という病名を提案する。
魚病研究,46(2), 59-61(2011)

発色酵素基質培地によるNocardia seriolaeのα-グルコシダーゼ活性の検出と薬剤感受性の推定

T. F. Ismail・竹下 朗・梅田奈央子・伊丹利明・吉田照豊
 発色酵素基質培地でN. seriolaeのα-グルコシダーゼ(α-glu)活性の検出を試みたところ,アピザイムで行った結果と一致した。2001~07年に分離されたカンパチ及びブリ由来株の内,α-glu活性陽性の27株はすべてエリスロマイシン(Em)感受性で,内18株がオキシテトラサイクリン(OTC)耐性であった。陰性の89株はすべてOTC感受性で,内81株がEm耐性であった。α-glu活性と薬剤感受性プロフィールとの関連が認められた。
魚病研究,46(2), 62-64(2011)