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第42巻 3号

IPN 抗病性に関連する新規ニジマス遺伝子マーカー

尾崎照遵・Sok-Kean Khoo・吉浦康寿・乙竹 充・坂本 崇・Johannes M. Dijkstra・岡本信明
ニジマスの IPN 抗病性と感受性系統の戻し交配家系199個体と226遺伝子座位(マイクロサテライトマーカー106,AFLP マーカー116,古典的 MHC クラス I ,非古典的 MHC クラス I ,MHC クラス II 及びチロシナーゼ遺伝子座)を用いて,IPN 抗病性関連形質の連鎖解析を行った。その結果,IPN 抗病性に関連する 7 座位を新たに見いだした。古典的 MHC クラス I 及びクラス II は,これらのいずれの座にも関連づけられなかったが,非古典的 MHC クラス I 領域は,既報の IPN 抗病性関連遺伝子座位のひとつと一致した。
魚病研究,42(3),131-140(2007)

Vibrio nigripulchritudo によるクルマエビの大量死

坂井貴光・平江多績・湯浅 啓・釜石 隆・松山知正・三輪 理・大迫典久・飯田貴次
 2005年 6 月末に鹿児島県で養殖クルマエビの大量死が発生した。病エビの動作は緩慢であり,横転遊泳する異常がみられた。病気発生時の水温は約27℃であった。病個体から黒色色素を産生する細菌が純培養状に分離され,細菌学的検査,16S rDNA の解析及び Vibrio 属細菌判別 DNA アレイにより分離菌は V. nigripulchritudo に同定された。分離菌を用いた感染実験により,クルマエビに対する高い病原性が確認された。本報は,クルマエビにおける V. nigripulchritudo 感染症の初めての報告である。
魚病研究,42(3),141-147(2007)

サケ科魚の武田微胞子虫症における魚種間の感受性比較

宮嶋清司・浦和茂彦・横山 博・小川和夫
 千歳川の河川水にサクラマスの 3 河川個体群(千歳川産,尻別川産,斜里川産)と静岡県産ニジマスを曝露して心臓と体側筋肉に形成されたシストを調べ,武田微胞子虫に対する感受性を比較した。サクラマス河川個体群間に明確な差は見られなかったが,ニジマスはサクラマスよりも心臓において感染を受けやすいことが示された。 2 魚種間の寄生率の差は,武田微胞子虫が心臓に定着する量の違いにより生ずることが示唆された。病理組織学的に,心臓シストは類線維素変性を特徴とした単核球性肉芽腫を呈したが,魚種間で病巣の形成の進行に差はなかった。
魚病研究,42(3),149-157(2007)

冷水病感染耐過アユの抗病性

金辻宏明・山本充孝・二宮浩司
 アユ冷水病感染耐過アユの冷水病菌再感染に対する抗病性を調べた。感染耐過魚を再攻撃したところ,生残率は84%となり,これは無処理対照魚(生残率 2 %)また比較のため用いた冷水病 FKC ワクチン免疫魚(生残率18%)に比べ有意に高かった。この様に,感染耐過魚は冷水病菌の再感染に対して強い抗病性を示すことが確認された。
魚病研究,42(3),159-161(2007)

チャイロマルハタにおけるウイルス性神経壊死症原因ウイルスの魚体内分布

桐生郁也・Leobert D. de la Peña・前野幸男
 フィリピンの養殖チャイロマルハタにおけるウイルス性神経壊死症(VNN)原因ウイルスの魚体内分布を調べた。症状が認められない個体(魚体重 4-12 kg の 7 尾と 2-9 g の17尾)より脳,眼,鰓,心臓,脾臓,腎臓,血液,食道,胃,腸,肝臓,生殖腺,鰾および皮膚を採取した。各サンプルの磨砕ろ液を E-11 細胞に接種したが,CPE は認められなかった。一方,nested PCR 法でウイルス遺伝子の検出を試みたところ,幼魚 1 尾を除くすべての魚で陽性であり,脳からの検出率は100%であった。
魚病研究,42(3),163-165(2007)