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第40巻 2号

温度ストレス下でのニジマス末梢血貪食細胞の生体防御活性とビブリオ病抗病性との不一致について

青島秀治・石髙康治・岡本信明
10℃ から23℃ に昇温した後,23℃ に 7 日間保持の温度ストレスを与えたニジマスの非特異的生体防御活性を in vitro で測定するとともに,Vibrio anguillarum による人為感染試験を行った。その結果,人為感染試験での生残率や生残魚の症状からは,V. anguillarum に対する抵抗性は低下していると判断され,白血球貪食率およびポテンシャルキリング活性は有意に増加していた。 生体防御能の in vitro 測定結果だけで魚の抗病性を評価することの難しさが示された。
魚病研究,40(2),47-51(2005)

KHV感染コイからの ELISA による血中抗体の検出

M. A. Adkison・O. Gilad・R. P. Hedrick
天然域でコイヘルペスウイルス(KHV)に感染したコイおよび人為的に KHV を感染させたコイの血中から ELISA により KHV 抗体を検出した。KHV 抗体は,自然感染後1年を経過したコイでも検出され,抗体価は 1:62500 であった。また,血清の希釈が 1:2500 以下では Cyprinid herpesvirus(CyHV-1)との交差反応が認められた。KHV 抗体を接種したコイは一過性にしか KHV に対する抵抗性を示さなかった。本手法により,親魚を含めキャリヤー個体の判定が可能になれば,KHV 防除対策の一助になると考えられる。
魚病研究,40(2),53-62(2005)

養殖カンパチに寄生するハダムシ Neobenedenia girellae と Benedenia seriolae の識別

木南竜平・宮本淳子・良永知義・小川和夫・長倉義智
Neobenedenia girellae と Benedenia seriolae の簡便な形態学的識別法を,実験感染魚から淡水浴により得た虫体のホルマリン固定標本を用いて検討した。体長にかかわらず,前種では体前端部が凹型であるのに対し,後種では凸型であり,顕微鏡下で容易に識別が可能であった。さらに,この識別法の養殖現場における応用例として,奄美大島の養殖カンパチに寄生する両種を 1 年間モニタリングした。その結果,両種の組成には明瞭な季節的遷移がみられた。
魚病研究,40(2),63-66(2005)

イサキから分離された細胞内寄生細菌の分類と病原性

釜石 隆・福田 穣・西山 勝・川上秀昌・松山知正・良永知義・大迫典久
腎臓や脾臓の肉芽腫形成を病徴とする養殖イサキ病魚から検出された真正細菌 16S rDNA 配列は,細胞内寄生性 Francisella 属のものと高い相同性を示した。病魚から Francisella 属用培地 1 %ヘモグロビン添加システインハート寒天培地により 1 種類の細菌が分離され,この分離菌株をイサキに人為感染させたところ,同様の病徴が再現され病魚の腎臓から本菌が再分離された。以上から本分離菌はイサキに病原性を有し Francisella 属に分類される細胞内寄生性の細菌であることが示された。
魚病研究,40(2),67-71(2005)

Photobacterium damselae subsp. piscicida からの2タイプの tonB 遺伝子(tonB1,tonB2)および fur 遺伝子のクローン化および機能解析

仲 浩章・廣野育生・青木 宙
Photobacterium damselae subsp. piscicida の鉄獲得機構を解明するために tonB1, tonB2 および fur 遺伝子の塩基配列を決定した。次に,マーカー交換法により fur 遺伝子欠損株を作出し,tonB1 遺伝子は fur により発現制御されているが,tonB2 遺伝子は制御されていないことを明らかにした。さらに,fur はヘムレセプター遺伝子の発現も制御しており,鉄獲得における fur の重要性が示唆された。
魚病研究,40(2),73-79(2005)

銅ファイバー浸漬によるニジマス卵のミズカビ病の防除

三浦正之・大野平祐・土田奈々・畑井喜司雄・桐生 透
ニジマス卵のミズカビ病防除手段として,銅ファイバーの有効性を検討した。試験はタテ型孵化槽の上流部に銅ファイバーを浸漬し,その下流部にニジマス卵を収容する手法を用いた。その結果,銅ファイバーを浸漬した区では,銅濃度 0.006〜0.020 ppm で 4 回の試験すべてでミズカビ病の発生は有意に低下し,発眼率や清水に戻した後の孵化率は影響されず,奇形率も増加しなかった。また,硝酸銅で調整した銅溶液は 0.006 ppm,24時間で Saprolegnia diclina の遊走子の発芽を阻止した。
魚病研究,40(2),81-86(2005)