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第39巻 1号

病原細菌接種後のオニテナガエビのフェノールオキシダーゼ活性

H. H. Sung・Y. T. Huang・L. T. Hsiao
 2 種類の病原細菌(Lactococcus garvieae 及びAeromonas veronii)接種後のオニテナガエビのフェノールオキシダーゼ(PO)活性の変化を調べた。菌の生死に関係なく,接種による PO 活性の上昇は,接種した菌種よりも菌量に関係していると考えられた。しかし,死菌よりも生菌が PO 活性をより早く,大きく上昇させた。死菌接種により誘導される PO 活性の上昇は,菌量に関係なくゆるやかであったことから,死菌はゆるやかな生体防御反応を誘導するバクテリンとして利用できると考えられる。
魚病研究,39(1),1-8(2004)

実験感染ヒラメにおける Edwardsiella tarda の排菌

松岡 学
 人為的に Edwardsiella tarda に感染させたヒラメからの排菌量を経時的に測定するとともに,排出菌と培養菌との病原性の違いを感染実験により比較した。人為感染魚からは死亡する 1 〜 6 日前から E. tarda が排出されるようになり,死亡後は107〜108 CFU/尾・分の菌が数日間排出され続けた。また,SS 培地での15回継代による病原性の低下は認められなかったが,排出菌の病原性は培養菌のそれよりも高かった。このように体外に排出された菌が感染の拡大に重要な役割を果たすものと推定される。
魚病研究,39(1),9-13(2004)

ウシエビの抗菌タンパク Penaeidin の分子クローニングと組換え体の発現

S.-H. Ho・Y.-C. Chao・H.-W. Tsao・酒井正博・H.-N. Chou・Y.-L. Song
 ウシエビの抗菌タンパク(Penaeidin)の cDNA は,分子量 6.9 kDa の74アミノ酸残基をコードしていた。ノーザンブロットにより,このタンパクは主に血球で合成されていると考えられた。バキュロウイルス発現系による組換え体は細菌 Aerococcus viridans に対する抗菌性を示したが,細菌 Vibrio alginolyticus,Vibrio harveyii と酵母 Debaryomyces hansenii には示さなかった。また,糸状菌 Neurospora crassa の胞子発芽と繁殖を遅らせた。
魚病研究,39(1),15-23(2004)

Aphanomyces piscicida 検出のための PCR 法の検討

P. Phadee・倉田 修・畑井喜司雄
 魚類の真菌性肉芽腫症の迅速診断法として PCR 法について検討した。Aphanomyces piscicida NJM 9803の遺伝子をシークエンスし,3 種類のプライマーセットを設計した。各種卵菌類71株を供試し,PCR 試験を試みた結果,3 種類のうち 1 つのプライマーセットは魚類病原性A. piscicida のみを検出する特異性の高いプライマーであることが判明した。また,そのプライマーセットを用いた PCR 法は実験感染キンギョの筋肉患部からも A. piscicida を検出できたことから,真菌性肉芽腫症の診断に有用なプライマーセットであることが判明した。
魚病研究,39(1),25-31(2004)

Pseudomonas anguilliseptica 検出のための PCR 法

J. L. Romalde・S. L.-Romalde・C. Ravelo・B. Magariños・A. E. Toranzo
 16S rDNA を標的として P. anguilliseptica 検出のための PCR の最適条件を決定した。ヨーロッパヘダイやターボットなどから分離された P. anguilliseptica 50株およびその他の細菌38菌株について試験した結果,本 PCR は本菌に特異的であることが確かめられ,その検出感度は菌数にして20細胞以下であった。本 PCR では,人為感染魚,自然感染魚に加えて外見上健康な魚からも本菌が検出され,本 PCR は P. anguilliseptica 感染症の迅速診断に有用であると考えられた。
魚病研究,39(1),33-41(2004)

PCR によるブリ細菌性溶血性黄疸原因菌の検出

三井清加・飯田貴次・吉田照豊・廣野育生・青木 宙
 PCR によるブリ黄疸原因菌の検出を試みた。本菌の培養液を100℃・10分間熱処理し,その上清を鋳型 DNA 溶液として PCR を行ったところ,期待される分子量サイズの増幅産物が得られた。また,その他の魚病細菌10種からは増幅産物が得られず,今回用いたプライマーセットは本菌を特異的に検出するものと考えられた。実験感染ブリの魚体から本菌の検出を試みたところ,筋肉からは検出できなかったが,血液,肝臓,腎臓,脾臓から検出することができた。診断に用いる材料には,これらの組織のうち血液が最適と考えられた。
魚病研究,39(1),43-45(2004)